クレアチニンとは何か?
私たちの健康の、もしくは臓器の不調の目安となる数値はいろいろあります。たとえば肝臓であればASTやγGDP、糖尿であれば空腹時血糖値やHbA1cなど、それぞれの病気や臓器によって健康診断で知ることができるいろいろな数値が対応します。
健康診断の結果で意外と盲点となるのが、クレアチニン値です。クレアチニンっていったい何なの?という疑問の声がけっこう聞こえてきます。クレアチニン値は、腎機能の重要な指標の1つです。
クレアチニンは、アミノ酸が分解される際に生成される老廃物で、血中に存在しています。老廃物なので、腎臓でろ過されて尿として排出される必要があります。ところが腎機能が低下してくると、十分にクレアチニンを漉し出すろ過の役割を担わなくなります。これによって、血中のクレアチニン値が高くなるのです。
腎機能の低下は、しっかりと原因を突き止めて治療をしないと、やがて進行することになります。将来的には腎疾患に陥り、最悪の場合腎不全や人工透析治療が必要なレベルにまで悪化することになります。
そういった意味で、クレアチニンの値をチェックしておくことは非常に重要なことなのです。
クレアチニン値が上昇したらどんな治療をすべきか
腎機能の低下はいろいろと原因があり、まずはその原因をつかんで、将来腎不全や人工透析などの最悪な事態を回避すべく治療を行う必要があります。かつては肝臓や腎臓の機能を改善する薬はないといわれることが多かったですが、現在は徐々にその方面の開発が進み、クレアチニンの数値を下げる薬も開発されています。
また、クレアチニン値降下作用があるサプリメントや漢方薬なども近年注目が集まっていますので、医療機関や専門の薬剤師などとよく相談してみるとよいかもしれません。ただし薬物治療の場合副作用のリスクがあり、サプリメントや漢方薬の場合、ものによってはかなり高価だったりします。
もちろん薬やサプリメント、漢方などに頼る薬物治療的な発想も悪くありませんが、これはクレアチニン値がある程度高くなった場合(たとえば男性でいえば、基準値の上限1.00mg/Lに対し1.50mg/Lなど)に行うという考え方でも悪くないでしょう。そのあたりはお医者さんとよく相談したほうがよいといえます。
そうなるまでは、食事に十分注意して日々の生活を送ることが大切です。腎機能の場合、塩分とカリウム、そしてたんぱく質の過剰摂取は控えたほうが無難です。
いずれにしても、将来的に腎不全や人工透析にならないよう、早目の治療・対処が重要です。その指標となるクレアチニン値には十分注意していただきたいと思います。