クレアチニン値が高いとどうなる?
クレアチニンは、血液検査や尿検査によって知ることができる物質ですが、このクレアチニンというのは、主にアミノ酸が分解されることで生成される老廃物のことを指します。クレアチニンが生成されること自体に問題があるわけではありません。いやむしろ、クレアチニンはアミノ酸分解の際に生成されなければならない物質であると考える必要があります。
クレアチニンは、血液に運ばれながら最終的には腎臓に入り込み、腎機能によって尿中に漉し出され、やがて排出されることになります。ところが、腎機能が衰えてくることで、クレアチンが十分に排出できないという問題が生じることになります。血中の老廃物が腎臓で漉し出されることなく体内を循環するようなことがあると、さまざまなトラブルの原因になります。
ということは、クレアチニンが高いとどうなるか、というよりも、クレアチニンが高いことで、もしかしたら腎機能が衰えてきているのではないか、というひとつの指標になるのです。
腎臓はデリケートな臓器ですから、体調が悪かったり疲労がちだったり、あるいは風邪などで薬物を服用したりすることで、その機能が低下することがあり、一時的にクレアチニン値が高くなることも考えられます。しかしこれが慢性化していると、腎機能の低下という疑いがかかります。
クレアチニン値が高い状態の継続は危険
クレアチニン値が高い状態が継続するようなことがあれば、できるだけ早い段階で腎臓の治療をはじめることが望まれます。腎臓という臓器は、放置するとどんどん悪化のスピードを速めてしまうので、クレアチニン値が高いままだと、最終的には腎不全に代表される慢性腎疾患と呼ばれる重篤な腎疾患に陥ります。
末期腎不全にまで事態が悪化した場合には、もう腎機能が元通りになる可能性は、少なくとも現代医学(西洋医学)の範囲ではあり得ません。そうなってしまうと、残すは腎移植か人工透析という選択肢しかなくなってしまいます。腎臓移植は現実的な治療法・対処法ではないため、残る治療法は、時間的制約や手術、刺鍼などの痛みや不安を伴う人工透析治療以外なくなります。
そのような事態を招かないためにも、クレアチニンが高くなってきたら、できるだけ早く病院などの医療機関で治療をはじめるべきなのです。ちなみにクレアチニンの基準値は、男性が1.00mg/dL、女性が0.70mg/dLです。血液検査などでは、CREと表記されることが多いです。